朝乃山、目標の三役復帰へ向け「相手より少しだけ強い相撲」を磨く

 令和8年7月名古屋場所は、7月12日(日)から昨年より新会場となったIGアリーナにて開催されます。その新番付が6月29日(月)に発表され、先場所7勝を上げながら無念の途中休場となった朝乃山は、東前頭10枚目と先場所と変わらぬ番付で7月場所を迎えることになりました。

 5月場所後は、6月5日(金)~7日(日)茨城県下妻市の大宝八幡宮での合宿、19日(金)~22日(月)静岡の富士宮合宿と、緑に囲まれた土俵での稽古やトレーニングで汗を流し、また地元の子供たちに胸を出したり後援者の方々と旧交を温めたりとリフレッシュして名古屋へ乗り込んでいます。

富士宮合宿で子供と相撲を取る朝乃山

 2年前の名古屋で膝をケガして番付を三段目まで落とし、昨年の名古屋では幕下筆頭で5勝2敗と勝越して2度目の関取復帰を果たし、ようやく幕内中位まで番付を戻してきました。朝乃山が掲げる今年の目標は、“三役復帰”です。7月場所9月場所と2桁の白星を積み重ね目標を達成したいものです。

 さて、サッカー日本代表がワールドカップで日本国中に大きな感動を与えてくれました。予選初戦で格上のオランダにしぶとく食い下がって引き分けに持ち込み、2戦目のチュニジア戦では史上最多となる4点での快勝。3戦目でも引き分け、負けなしでの決勝進出。決勝トーナメントではブラジルに惜しくも敗れましたが、差は紙一重で世界で戦う個々の選手の輝きと日本らしい組織プレーが相互に機能して世界で戦える実力を存分に発揮したといえるのではないでしょうか。日本スポーツ界で人気を二分する野球とサッカーですが、攻防という観点からすると、攻撃と防御(守備)が完全に分かれる野球に比べ、サッカーは攻防混合もしくは攻防一体という大きな違いがあります。攻めながら守りを固め、守りながらも攻めの機会を逃さぬようにしなければなりません。攻防一体という意味では、野球よりサッカーの方が相撲に近い競技だといえます。相撲もサッカーも常に相手からのプレーシャーを受けながら攻めと守りを瞬時に同時に行う必要があります。さらに攻防一体という考えを進めていけば、サッカー場と土俵という競技エリアの違いは、相撲の攻防一体は、より瞬時でより同時でなければなりません。その為にも心身が統一された自然な動きが求められます。

双葉山の相撲は「常に相手より少しだけ強い」と評されました。圧倒的な力で相手を倒すのではなく、全身を柔らかくつなげ相手に重みを預け柔構造で相撲を取り切ったからこそ成せることです。朝乃山の相撲も力で相手を圧倒するのでなく、基本は全身を柔らかく使い相手に圧力をかけながら前に出ていく相撲です。圧倒的力を見せつける必要はありません。「相手より少しだけ強い相撲」は年齢を重ねても磨いていくことができます。それこそが相撲の“本質”であり“相撲力”です。日本サッカーが年々実力をつけ世界一を目指すように、朝乃山の相撲が“相撲の本質”に一歩ずつ近づいていくのを期待して見守っていきましょう!

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