昭和33年初場所前に、“高砂ジャイアンツ”という高砂一門の応援歌が出来ました。
作詞が『上海夜曲』や『湯の町エレジー』で有名な野村俊夫、作曲は『青い山脈』や『東京ブギウギ』のヒット曲で知られる国民栄誉賞作曲家服部良一と豪華コンビでの作品です。
33年初場所は、栃錦、吉葉山、鏡里、千代の山の四横綱時代で、後の46代横綱朝潮は西の大関、一門大山部屋の松登が張出大関、小結に若前田、幕内に島錦、愛宕山、及川、国登、前ノ山、宮錦、高錦、一門若松部屋の岩風、房錦という錚々たる顔触れが番付にその名を連ねています。
応援歌が出来た経緯は不詳ですが、師匠は、元横綱前田山の4代目高砂で、引退時にも話題となったように野球好きで知られ、幅広い人脈から音楽界の大御所との縁もあっての応援歌作成となったのでしょう。また、当時は部屋対抗の野球大会もよくやっていたようで、野球界の盟主読売ジャイアンツになぞらえての“高砂ジャイアンツ”なのではないでしょうか。
6代目の頃までは、新年会などで力士一同でよく歌っていたそうで、折を見て復活させたいものです。
♪高砂ジャイアンツ♪
作詞：野村俊夫
作曲：服部良一
一、高砂ジャイアンツ 土俵の暴れん坊
があんとぶつかれ いっきに押せよ
稽古千番 鍛えた技で
勝って勝ち抜け 晴れの場所
高砂一門 頑張れ 頑張れ
ドスコイナ～ ドスコイナ～
二、高砂ジャイアンツ 土俵の人気者
わぁっとどよめく あの声聞けば
腕は鳴る鳴る 心は躍る
明日はどの手で 投げようか
高砂一門 どいつも こいつも
ドスコイナ～ ドスコイナ～
三、高砂ジャイアンツ 土俵の暴れん坊
伊達に燃やさぬ ファイトだ意気だ
今日は見事に 兄弟子投げて
胸を借りてた 恩返し
高砂一門 男は 度胸だ
ドスコイナ～ ドスコイナ～
四、高砂ジャイアンツ 土俵の人気者
押すも投げるも 力だ技だ
相手かまわず 早技見せて
今日も親方 えびす顔
高砂一門 芯から 強いよ
ドスコイナ～ ドスコイナ～
五、高砂ジャイアンツ 土俵の純情者
見たか聞いたか テレビの前で
せがれやったぞ 横綱投げた
泣いて喜ぶ 母の顔
高砂一門 人情にゃもろいよ
ドスコイナ～ ドスコイナ～
