令和6年9月場所を振り返って

朝紅龍11勝、幕下奮闘と朝櫻井初の勝越し!

 秋場所とは名ばかりで猛暑日が続いた9月場所は、9月8日(日)から22日(日)まで両国国技館にて開催されました。西十両3枚目朝乃山の休場で部屋頭として先頭に立ったのが東十両8枚目の朝紅龍。持ち前のスピードを活かし中に入って一気に出る相撲で前半戦6勝1敗と好調なスタートを切り、中盤少し星を落としたものの12日目に勝越しを決め、11勝4敗の成績で千秋楽を締めました。大型化が進む現代の大相撲界にあって175cm、120kgと小兵ながら鍛え込んだ筋肉と思い切りのいい勝負勘で体格差をものともしない活躍を見せてくれ、11月場所では新入幕の可能性もあります。今後の活躍からますます目が離せません。

朝白龍にぶつかる朝紅龍

 つづく幕下力士達も今場所は奮闘致しました。12枚目朝白龍が5勝を上げ来場所はいよいよ上位5枚目前後へと上ってきます。右四つの力強い型があり自分の相撲に自信を持って取り組めば関取昇進は時間の問題です。29枚目石崎が4勝、50枚目朝乃若が5勝と勝越し、55枚目朝興貴は6連勝と最後の一番に勝てば幕下優勝という大活躍でした。惜しくも敗れ、序二段、三段目(2回)に続く4回目の各段優勝は逃してしまいましたが突っ張りの威力には目を見張るものがあり、もっと欲を出して上を狙って欲しいと願うばかりです。また負越した力士も怪我の深井を除いた3力士は3勝3敗からの一番を落としての負越しであと一歩でしたので、来場所での巻き返しに大いに期待しましょう。

朝紅龍

 三段目では、33枚目朝氣龍、47枚目朝心誠、72枚目朝大洞と勝越しました。朝氣龍は来場所自己最高位での幕下挑戦の場所となります。朝心誠は幕下復帰へ向け歩みを進めましたが、朝大洞は幕下昇進へ向けあと1,2番は白星を積み重ねたかったところです。

 序二段では、61枚目朝走雷が5勝、66枚目朝勝令、95枚目朝櫻井が4勝と勝越しました。朝走雷は、最後の一番に勝って6勝となれば三段目復帰が濃厚だったのですが惜しくも敗れ復帰ならず。95枚目朝櫻井は、入門以来初の勝越しを決めました。9月場所で優勝して大関昇進を決めた大の里は同期生で、片や史上最速の出世を果たしていますから比べ物になりませんが、相撲経験どころか運動経験もほとんどなかった朝櫻井が1年半余り我慢して稽古をつづけ勝越しを決めたことは、大の里に負けず劣らず褒め讃えられていいことです。この喜びを支えに、これからの稽古にもっともっと励んでいってもらいたいものです。おめでとう朝櫻井!これからもガンバレ!!

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