令和5年3月場所を振り返って

朝乃山幕内復帰と朝白龍序ノ口優勝

序ノ口優勝を果たした朝白龍


令和5年3月場所は、3月12日(日)から大阪府立体育会館にて開催されました。4年ぶりに観客制限なしの通常開催となり、15日間満御礼という大盛況のうちに無事千秋楽を迎えることができました。
横綱大関不在という異常事態の中、最後は新関脇霧馬山が優勝決定戦の末初優勝を果たし、若元春と共に来場所が大関挑戦となる活躍をみせてくれました。
高砂部屋一同も奮闘いたし、東十両筆頭の朝乃山が優勝こそ逃しましたが、13勝2敗の成績で幕内復帰を確実なものとしました。続く幕下勢は、7枚目石崎、30枚目長内、32枚目朝玉勢、48枚目朝弁慶と残念ながら負け越したものの、東西40枚目の朝興貴が5勝、深井が6勝、45枚目朝乃若4勝と勝越しました。コロナ感染の後遺症で苦しんでいる朝乃若は、1年ぶりの勝越しでようやく関取復帰に向け前に進めそうです。三段目は6人中4人、序二段は10人中3人の勝越しでしたが、序ノ口で朝白龍が7戦全勝での優勝を飾ったのは、実力通りとはいえ嬉しい活躍でした。モンゴル生まれの朝白龍は本名ラグチャー ジャミントクホ(愛称ジャミン)、8年前に関脇豊昇龍、十両欧勝馬と一緒に3人で来日し、日体大柏高校、拓殖大学相撲部を卒業後に昨春高砂部屋入門。一年間の研修期間を経て今場所から序ノ口デビューとなりました。一緒に来日した2人に早く追い付き追い越したいと日々の稽古に励んでいます。
全体では、25人中12人勝越しと5割を下回り、特に残念だったのが3勝3敗で最後の1番に勝越しをかけた力士が7人共に負け越してしまったことです。勝ち負けは時の運で、実力伯仲した同士の対戦ですから、致し方ないこととはいえ、勝越しにかける執念が足りなかったことも否めません。
来場所は、朝乃山が幕内復帰となります。幕下力士達が後に続き、十両幕内と昇進していけるよう師弟一丸となって益々精進していく所存です。

朝乃山の近況

胸を出す朝乃山


東十両筆頭の位置で臨んだ3月場所、13勝2敗と準優勝の成績で幕内復帰を決めましたが、本人的には満足できない納得いかない場所になったようです。
前半戦は、逸ノ城に攻め急いで土俵際で逆転の突き落としを食いましたが、前に出る相撲は出来ていました。それが後半戦は、琴の若に負けた相撲はもちろんですが、勝った相撲でも前に攻められず下がって巻き替えにいき体勢を悪くしてしまうことが度々で、土俵際の投げで勝ちを拾う相撲になり、大いに反省しています。右を差すものの、すぐに巻き替えられて双差しを許してしまい、反り身での防戦一方の相撲が何番か続いてしまいました。

石崎と稽古する朝乃山


心身のバランスが微妙に崩れてしまっていたようで、もう一度基本に戻り、体幹を調えるための四股、テッポウ、すり足等の基本動作にしっかり取り組んでいき、稽古の番数もこれまで以上に増やしていかねばならないと痛感しています。幕内の土俵で相撲を取るのは、大関だった2年前の5月場所以来2年ぶりのことです。来場所は自分本来の右差し前に出る力強い相撲を、15日間お見せできますよう巡業での稽古に励んでまいります。

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