暮れも押し迫った12月26日(月)令和5年1月場所番付発表があり、先場所幕下4枚目で6勝1敗だった朝乃山は、西十両12枚目と1年ぶりに関取に復活いたしました。関取になれば、風呂も食事も一番先になり、身の回りの雑用一切を付人が行い、より相撲に集中できる環境になります。稽古のときには白マワシを締め、本場所の土俵では繻子織の締め込みに大銀杏を結って土俵に上がり化粧マワシを締めての土俵入りと、見える風景も幕下までとは違ってきます。以前に体験済みとはいえ、謹慎処分からの復活で見える関取としての風景は前回とは違う重みが感じられるのではないでしょうか。
12月27日(火)から再開された朝稽古では新調した白の稽古マワシで四股に汗を流し土俵祭りに臨みました。新年1月場所の初日は1月8日(日)、関取として本場所の土俵に上がるのは令和3年5月以来10場所ぶりとなり、元の大関という地位に戻るにはまだまだ時間がかかります。3月には29歳となる朝乃山、力士として一番力をつける時期を無駄にしてしまったという声があるのも事実です。しかしながら、この一年半の姿を見てきて感じるのは、相撲に向き合う姿勢が格段と高まったということです。ずいぶん大人になったという声も聞こえてきます。“急がば回れ”という言葉があるように、この回り道が朝乃山の人間を一回り大きくし、令和の大相撲界を背負って立つ力士として成長してくれるものと確信しています。