東十両筆頭で迎える三月場所

関取衆と稽古する朝乃山

2月27日(月)、令和5年3月場所の新番付が発表になりました。
先場所、十両西12枚目で14勝1敗の成績を上げ十両優勝を飾った朝乃山でしたが、再入幕には一歩届かず、東十両筆頭という番付です。
期待された十両一場所通過は叶いませんでしたが、幕内復帰へ向けて15日間取り切るリズムと体力を取り戻す猶予を与えてもらったと考えれば、今後の大関復帰と横綱昇進に向けて意義ある場所になることでしょう。
2月中旬には、若隆景や霧馬山、若元春、竜電、水戸竜、欧勝馬等の関取衆が出稽古に訪れ、久しぶりに三役力士とも胸を合わせましたが、右差しで一気に出る相撲で圧倒し、元大関としての地力の違いを見せつけました。三役力士との稽古は二年ぶりのことで、稽古する前は「簡単に押されるんではないか」という不安もあったそうですが、久しぶりに三役力士の圧力を肌で感じ、それに負けない出足を発揮できたことは大きな自信にもなったようです。

朝乃山(左)と霧馬山(右)

相撲の本質力である「相撲力(すもうぢから)」は、単なる筋力や押す力とは違い、もっと複合的かつ総合的なものです。その複雑で高度な相撲力を高めるためには、300年続く鍛錬法である四股、テッポウの質と量を高め、部屋での稽古の充実に努めていく以外に方法はありません。関取復帰後も、若い衆の頃と変わらず稽古開始時から土俵に下り、四股、すり足、テッポウと基本を地道に繰り返している朝乃山の春場所と今後の活躍に大いに期待しましょう。

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