
~令和7年3月場所を振り返って~ 高砂部屋便り
“浪速の春は大阪場所から”と云われるように大阪場所の始まりが大阪に春を告げ、街に活気をもたらしてくれます。その令和7年3月大阪場所は3月9日(日)から大阪エディオンアリーナ(府立体育館)で開催されました。相変わらずの大入り続きで15日間満員御礼と活況を呈しました。話題の新横綱の途中休場は残念でしたが、元大関高安と新進大関大の里の優勝争いで千秋楽までもつれ決定戦の末、大の里の3度目の優勝で幕を閉じました。来場所での綱取りが大相撲人気に益々拍車をかけそうです。
高砂部屋一同は再入幕を果たした朝紅龍始め、1月場所に続く3月場所での新弟子2名を新たに加え総勢26名の陣容で臨みました。前頭16枚目の朝紅龍は、10日目迄6勝4敗と好調に白星を重ねましたが、後半戦の5連敗が響き6勝9敗と負け越し幕内残留が厳しい成績となりました。来場所での捲土重来を期しましょう。
西幕下筆頭と勝ち越せば関取昇進間違いなしの地位まで番付を上げてきた石崎、3勝3敗まで漕ぎ着け、最後の一番土俵際まで攻め込んだものの惜しくも突き落とされ兄弟関取誕生は来場所以降に持ち越されました。ただ負けた相撲も攻め込んであと一歩の相撲が多かったので力は既に充分と言え、昇進は時間の問題でしょう。三段目21枚目の朝乃山が7戦全勝優勝を飾りました。元大関ですから当然といえば当然なのですが、当然の事を当たり前に成し遂げるのは想像以上に至難な事です。相撲は一瞬の勝負ですから、勝って当然の相手だと逆にプレッシャーは大きくなります。ましてや膝の大怪我をして慣れない装具を着け235日ぶりに上がる本場所の土俵の緊張感は想像に難くありません。そういう状況の中で淡々と白星を積み重ね優勝を勝ち取ったことには番付に関係なく賛辞を贈られるべきことです。いよいよこれから本当の意味での朝乃山の相撲人生の再スタートです。大いに期待し見守りましょう。
序二段以下では、序二段98枚目の朝櫻井が5勝2敗、序ノ口砂坂が6勝1敗と好成績を上げました。入門3年目となる朝櫻井、入門以来2度目の勝越しを5勝で飾りました。今年に入って弟弟子が4人も出来、兄弟子としての責任感も生まれてきたようで、単なるデブではないところを見せてくれました。序ノ口の砂坂は、明徳義塾相撲部出身で稽古場でも三段目と互角以上の力を発揮していて、どんどん番付を上げていくことでしょう。新弟子は、大阪堺出身の朝平井16歳と、大阪生まれで千葉大学卒の朝力丸23歳と楽しみな二人です。