
大相撲秋場所(両国国技館)12日目の9月24日、東前頭6枚目の朝乃山は、西前頭3枚目の美ノ海(沖縄県出身、木瀬部屋)を寄り切りで下し、通算成績を9勝3敗とした。今場所の大きな目標として掲げる2桁勝利まで、いよいよあと1勝と迫った。
同級生同士の意地がぶつかる土俵で、元大関の圧倒的な技術と冷静さが光った。立ち合いで美ノ海に前みつを許すヒヤリとする展開となったが、朝乃山は全く慌てなかった。すかさず右を深くねじ込むと、強烈にかいなを返して相手の左の攻めを完璧に切る。そこから流れるような動きで左上手を取り、力強く引きつけると、最後は相手に何もさせない万全の寄りを見せた。けんか四つの難敵に対し、自身の絶対的な形である「右四つ・左上手」を鮮やかに作り上げる見事な一番だった。
念願の2桁到達を懸ける13日目は、東関脇の熱海富士(静岡県出身、伊勢ケ浜部屋)と激突する。今場所初めて顔を合わせる役力士との大一番だ。この一番に勝てば、今年初場所の再々入幕以降、5場所目にして初めての2桁勝利となる。大関昇進へ向けて死物狂いで向かってくる若き実力者を伝家の宝刀で退け、完全復活の狼煙を力強く上げたい。

