朝乃山関7場所ぶり関取復帰 大相撲九月場所

西十両13枚目 大相撲九月場所

朝翠龍(左)との稽古(8月30日平塚合宿)

 9月1日(月)に9月秋場所の番付が発表され、朝乃山は西十両13枚目の地位まで戻りました。関取として土俵に上がるのは昨年の7月場所以来7場所ぶりのことで、久しぶりに15日間朝乃山の取組を見ることが出来ます。

 名古屋場所後は、暑さと関取復帰へ向けての緊張感も重なったのか高熱を出し寝込んでしまったようですが、無事回復し8月4日からは墨田区石原の部屋で基礎運動から始め、徐々に体を慣らし8月中旬からは9月場所から関取となる朝白龍や朝翠龍との申し合い稽古もはじめました。

白マワシですり足を行う朝乃山

 怪我をした膝の具合は確実に良い方向へと向かっているようですが、本場所の取組や稽古を続けながら治していかなければならず一進一退をくりかえしながらという状況です。それでもまた一段階進んだと思えるのは、膝のサポーターを外したことです。復帰の3月場所では、大きな装具のついたサポーターをつけていましたが、7月場所からは強力サポーターに替えて相撲を取っていました。ただ、装具や強力サポーターは膝のケガ再発予防にはなりますが、動きを大きく制限するため朝乃山本来の柔軟で力強い動きにも少なからず影響を与えていたようで、8月の稽古再開時からは、テーピングに軽いサポータのみでの稽古を続けています。2,3日稽古をみた範囲では、不安なく脚を動かせているようで、まだスタミナには課題があるものの、とてもいい稽古を行っていました。このまま調子を上げていけば十両の土俵では、12勝もしくは13勝くらいの成績を上げられるのではないかと内心感じています。

朝白龍(左)との稽古

 「運も実力のうち」という言葉があります。松下幸之助やビル・ゲイツも運の重要性を説いていますが、運を呼び込む努力を惜しまずやり遂げることの大切さも同時に語っています。ここ数年、運から見放されたような状況がつづく朝乃山ですが、その間弱音を吐かずに人一倍努力を積み重ねてきたのは間違いないことです。関取から三段目まで陥落して復帰を果たした力士は何人かいますが、二度も三段目陥落から復帰したのは朝乃山が初めてのことです。ここから幕内、三役、大関へと復帰していき、横綱まで登りつめることができれば、大相撲史上初の快挙となります。相次ぐ不運に見舞われながらも日々の弛まぬ努力を続けてきた朝乃山。8月末の平塚合宿でも砂にまみれて稽古を続けてきました。
9月14日初日の秋場所に向け、運を呼び込む準備は十分整ってきました。これからの史上初の朝乃山復活劇を敬意をもって見守っていきましょう!

稽古後の股割り

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