
大相撲春場所(エディオンアリーナ大阪)は3月16日、後半戦のスタートとなる9日目の取組が行われ、朝乃山関は、西前頭9枚目の玉鷲(モンゴル出身・片男波部屋)をすくい投げで破った。中日までの連敗を2でストップさせ、通算成績を5勝4敗として再び白星を先行させた。
「角界の鉄人」の異名をとる大ベテランの玉鷲に対し、朝乃山は立ち合いから防戦を強いられた。玉鷲の馬力あふれる強烈なのど輪攻めをまともに受けてしまい、上体が起き上がったまま一気に土俵際へと押し込まれる絶体絶命のピンチを迎える。
しかし、元大関の意地が土俵際での驚異的な粘りを生んだ。俵に足をかけながら必死に踏みとどまると、わずかな隙を突いて左腕を相手の脇へのぞかせた。そこから起死回生の反撃に出た朝乃山は、体勢が不十分なまま強引に左からのすくい投げを敢行。これが豪快に決まり、玉鷲の体を鮮やかに土俵に這わせた。自分の形を作れない苦しい展開を、持ち前の力強さと執念で跳ね返した価値ある一勝となった。
大きな白星で後半戦をスタートさせた朝乃山。10日目の17日は、東前頭17枚目の藤凌駕(藤島部屋)と対戦する。前日の展望でも触れた通り、所要4場所で新入幕を果たした“ざんばら髪”の若きホープだ。勢いに乗るスピード出世の23歳に対し、この日の劇的な勝利で得た良い流れをぶつけ、連勝を狙って元大関の貫禄を示したいところだ。

