株式会社北陸銀行
代表取締役会長 麦野 英順
『大横綱』に向かって翔け!
このたびは、朝乃山関の大関昇進、誠におめでとうございます。心から祝福申し上げます。
新型コロナウイルス感染症が拡大する中、異例の無観客で行われた三月の大阪場所において、朝乃山関は冷静にかつ惑うことなく自身の相撲を取り続け、ブレずに真向勝負で土俵を務めた姿は、テレビで観戦している私たちに、勇気と誇りと安心感を与えてくれました。本当に心強くうれしく思いました。
昨年6月に富山で行われた、富山県・富山市からの各種表彰の贈呈式と五月場所初優勝祝賀会で、朝乃山関には光る若さの上に漲るエネルギーを感じ、まだまだ上を狙える逸材だと直感した記憶が強く残っています。体の均整や放つ風格、そしてこぼれる愛らしさが一体となって、見ている側が喜ばしくなってしまうという表現が的を射ているかもしれません。
その後、昨年十一月、新三役小結で迎えた九州場所では素晴らしい成績を残し、初の技能賞を受賞、年が明けた一月の初場所では新関脇として十勝を上げ、浮足立つことなく三役の責務を果たしました。トントントンと出世階段を駆け上がる朝乃山関は、まさに期待の星であり、さらに頂点を目指して一気に上り詰めんとする勢いに期待は膨らむのは、ふるさと富山の私たちだけではありません。
ここまでの昇進の裏には、厳しい稽古の積み重ねによって培われた、強靭な気持ちと、けがをしない体力づくりとケア、そして絶対的な力を発揮する右四つの技術力向上があると確信しています。
さあ、本当の勝負はこれからです。ぜひ、心技体を兼ね備えた関取となるよう一層精進してください。大関は通過点です。朝乃山関には横綱の中の横綱、つまり歴史に残る「大横綱」になってもらいたいのです。
朝乃山関は土俵で両方の手をきちんとつけて立ち合う。立ち合いの瞬間に、かち上げや叩き込みをしない、体をかわさない、そんな正々堂々と戦う朝乃山だからこそ日本中のファンが応援するのです。
「大横綱」とは正義を全うする人だと、私は思います。そういう意味では、大関昇進の伝達式は本当に素晴らしい口上でした。「相撲を愛し、力士として正義を全うし、一生懸命努力します」、私はあらためて感激しました。相撲にかける思いや姿勢を熱い言葉にのせて言い切った朝乃山関は本当に素晴らしい「越中男児」です。
皆が期待しています。皆とは後援会の皆ではありません。富山県民だけでなく、日本中が「大横綱」になることを期待しています。頑張れ朝乃山、心から応援しています。駆け上がれ!朝乃山、天下をつかめ!朝乃山関。